2007年 スルメイカ再び







釜石港




釜石港でのサバ釣りは、 一度爆釣を経験すると、どうやらトラウマになってしまうものらしい。

一昨年は、遠野のエアロイベントの折り、そのまま釜石に寄って、日曜日の午後3時からの釣行
だったにも拘らず、尺サバを爆釣した。11月になって再び父と釜石へ行った時もまたまた爆釣で、
この時は40センチの大サバを釣り上げたものだった。
となれば、次回もまた、と期待してしまうのも止むを得ないことである。
ところが昨年は全くの不漁で、行った時期が遅すぎたこともあるが、サバのアタリどころかエサとなる
カタクチイワシの群れすら見られず、あの、竿を弓なりにひん曲げて暴れるサバの引きを、楽しむことは
叶わなかった。
だが、サバが全くいなくなったのかといえば、実はそうではないのである。釣れるチャンスは必ずあって、
たまたまその時間帯にベイトフィッシュの回遊があり、潮の状態がよく、天気に恵まれれば、
サバは絶対釣れる筈なのだ。
そこで今年は、早い時期から何度か釣行を重ねた上で、群れの寄る時間帯、サバの生育具合を
精査した上、今年の最も爆釣できる時期と時間帯を突き止めてやろう!と意気込んだ。
その上で、今が旬の"スルメイカ"を釣り上げ、そのイカ釣り技術を磨き、秋以降の"ヤリイカ"釣りに
役立てよう! てなコンタンなのである。


"釣りはマズメを釣れ"と云う。
マズメとは朝マズメ、夕マズメ(ゆうまずめ)があり、よーするに"夜明け時"と"日暮れ時"
ぐらいの意味である。このどちらかに、上げ潮、俗に云う、上げ三分から七分が重なる時が
一番釣れやすい時間であると。
そのセオリーに従い、今回は、現在の夜明け時刻、午前5時前後を目安にして、夜中の3時に起床、
一路、釜石に向かった。
前日、盛岡での3本連続の仕事を終え、帰宅して午前1時までイカの仕掛け作りに没頭していた
ワタシであったが、いざ、釣りに行くとなれば元気至極。気分はウキウキ。まるでゴルフに行く前の
オトーサン達のようである。
遠野を駆け抜ける間にも、東の空がどんどん白んでいく。嗚呼夜明けは近い。急がねばならぬ。

現場に着くと、既に堤防には人影がチラホラ。釣り座を構えながら、ウロウロしているおっちゃんに
声をかけると、朝イチでちょっくら釣りやってから出勤すると言う。ウーム。なんてウラヤマシイ環境。
で、釣果は?と聞くと、「サバの寄りはまんずまんずだべなァ」 などとおっしゃる。
「お?」 と、おっちゃんの視線を辿ると、海面にサワサワとこまかな水しぶきを発見!
「イワシの群れだなはん」
「イワシ?」
「仕掛け入れでみろ〜。多分イワシだべし。サバの群れが追い廻してんのがもしんねぇぞぉ〜」

急遽サビキの仕掛けを用意して、小さなナブラにフルキャスト。タナはおよそ2ヒロ(3メートル)だ。
オレンジ色のウキが立ち上がって仕掛けがなじむと同時に、ウキに細かなアタリ。
ペコペコと何かに突っつかれるように、細かなダンスを踊っている。
ちょっと引き込まれたところでアワセを入れ、巻き上げてみる。アラッ!7本あるサビキの鈎全てに、
銀色に光る小魚がくっついているじゃありませんか!
「やっぱイワシだべ?」
「ウン。カタクチイワシだね〜。こんな時間に群れが寄ってだどは、知らねがったや〜」
「もうちっとタナ下げでみろ〜。サバもくっどぉ〜」

うしっ!ってなもんでタナを4ヒロまで下げ、サビキを7号のハゲ皮に換えてコマセを撒く。
暫らく待っていると、ウキにちょーんちょ−んと前アタリがあった後、続いてグーンと浮きが沈みこんだ。
すかさずアワセッ! うっほーっ! けっこう引くじゃん! 楽し〜っ
サビキ仕掛けとはいえ、幹糸は4号、ハリス2号である。これくらいの引きなら、2、3本掛かっても
十分耐えられる。加えて遠投用、4号竿のパワーでサバを引っこ抜く。
1本目のサバ、全長20センチ余り。少し小さいが、まあこんなもんか。
イワシを追ってサバの群れのどんどん移動するので、入れ食い、というわけにはいかなかったが、
朝5時半から初めて8時頃までに、8本のサバを釣り上げた。サイズは最大で25センチ。
一昨年のアベレージ35センチにはまだまだだけれど、この様子ならあと1ヶ月も待てば、
良い型に巡り会えるかもしれない、と、ひとり、ほくそえんだ。



その後、日が高くなってからもサバ釣りは続行していたが、全くあたりの気配もなし。
一昨年は昼間もずっと釣れ続けていたものだが、今日はこれからどんどん下げ潮で、
やはりそのときの潮の状況と、時期的なものが関係しているらしい。
ルアー竿を取り出し、おもむろに小アジを釣る準備をする。
平日にも拘らず、堤防はけっこうな賑わいで、釣り座を動くこともままならず、
足下で釣りを始めたが、結局夕方までにアジは2匹しか釣れなかった。






再びの夕暮れ時。イカの寄りはイカに?


干潮時の潮どまりを迎え、これからいよいよ上げ潮だ。夕マズメの少し前からイカの仕掛けを
用意する。前回の反省も踏まえ、昨夜作り上げたイカ釣り仕掛けは、イカバリを追加して
バラシのないように工夫してある。
さて、この工夫がどう釣果に結びつくか?ヒジョーに楽しみなところである。

日が暮れ始めて暫らく、しきりに誘いを入れていたワタシの竿に、グッと重みが加わった。
おおっ!きたきたきたきたっ! 本日の初ヒット!一番乗りぃ〜 と思ったら、
となりのおっちゃんの竿にもイカがヒットしていたようである。
となりのおっちゃんは、前回来た時も顔をあわせた常連さんで、なんと、花巻からひとり、
毎晩の如く、この防波堤に通っているらしい。そのくせあまり爆釣することはないようなのだが、
なんと、この日は大いに釣りまくり、ワタシが2ハイ目を上げるまでに、バンバン釣っていた。
ワタシは竿1本でノンビリと釣っていたのだが、このおっちゃんは一人で3本も竿を出し、
こっちの竿で釣ったらあっちの竿にも、そっちの竿にもイカが掛かり、忙しいッたらありゃしないと
まなじりを下げていた。
「おらぁ、こったに釣ったの初めでだなサ」 だって。





朝から釣り上げたサバ8匹。最大25センチ


さて、私の釣り上げたイカは、これまでのところの最高記録、胴長25センチ(全長40センチオーバー)
であった。竿は前述のトラウトロッドだったので引っこ抜けるか心配だったが(もっとも、一度折ってしまい
補強してあるが)、なんとかクーラーボックスに納めることが出来た。
もっと釣りたいところであったが、前述のように、エサになるアジを2匹しか釣ってなかったので、
2ハイ目のイカを釣ったとことで、ゲームオーバー。気が付いたら、もう15時間半も釣り座に座っていた。


因みに釣りは、エネルギー代謝計算で言うところの"METs"で表すと、平均3.7METsだそーな。
普通に散歩するよりも、遥かに代謝量が高い。
今夜はいつもよりも増して人が多く、花巻のおっちゃんの他に、車椅子に乗った80くらいおじーちゃんや、
少し腰の曲がったじーちゃん達がいっぱい来ていた。
少しくらい歳を取ったからといって、家に篭らず、夜になっても嬉々として釣りを楽しんでいるじーちゃん達の
姿を見ると、なんだか釣りってのも、健康づくりに役立って、すごくいいな、という気もしてきた。
知らない人どうしで、これだけおしゃべりできるってのもなかなかない話だし、何よりも、じーちゃん達が
元気で和気藹々やっているってのが嬉しい。





釣り上げたスルメイカ。最大で胴長25センチ!




見よ!このデカさ!全長は40センチを越えているのダ


釣りから帰宅したところで、仕掛けの修理をする。デカいイカを釣り上げた時、
追加したイカバリがちぎれてしまい、ラインがずたずたになってしまっていたのだ。






修繕したイカ釣り仕掛け。市販仕掛けの改造品




通称"イカ串"と呼ばれる仕掛けだが、イカバリを追加している




イカバリの根元には6Bのガンダマを追加し、重さを稼ぐ


ついでに次回の釣行用に、サバ用のテンビン仕掛けを作ってみた。
家にあった1Φのステンレスバネ線を加工し、ロケットカゴを通してコマセが簡単に撒けるようにしてある。
後は釣り場で、オモリと吹流し仕掛けを付ければ完成。
次回の釣行が楽しみである。






ついでに作った、カゴ釣り用の仕掛け。ステンレス線を加工した




海中でカゴが分離してコマセをばら撒く構造になっている





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