"つくりもの"製作環境向上委員会 第3回 その1






さて、今回はスペシャルワークブース、製作編の続き。
現在、作業はまだまだ序盤も序盤。墨付けした材を刻んでいる最中である。
何せ作業の殆どを手工具で切削し、その都度の仮組み、修正を繰り返しているので、
刃物は使ったら砥がにゃならんし、設計変更は度々だし、製作そのものが遅々として進んでない状況にある。
だがしかし、これはまたこれで良しとしよう。例えば刃物の砥ぎひとつとっても、実に奥が深くてオモシロイから。



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加工中の材木。今回はノミを使った加工がしこたま出て来るのダ。




道具の手入れ 〜再び〜

大工道具は手入れが命。
特に日本古来の大工道具というものは、その手入れや調整法に、独特のノウハウがあり、
何も判らずにやってしまうと、トンデモナイ結果を惹き起こしてしまう恐れがあるのである。
例えば前回チラッと砥いでみたノミは、使い始めた途端、忽ちのうちにその切れ味が悪くなり、
最初は「こんなもんか?」と思いつつ使い続けていたのだが、何気に昔買った木工雑誌を捲っていたら、
刃物の砥ぎに関する技術的な特集を見つけ、それによるとワタシの砥いだノミの『刃先角』の作り方に、
重大な欠陥があることが判明したのだ。

そこで今回は、もう一度砥ぎに関するノウハウを研究し、実践と同時にその技術を習得。
またひとつ、木工作業の奥の深さの一端に触れてみよう、という魂胆である。

 

だがその前に、今までさんざん使い倒した、砥石の表面を調整する作業から始めねばならない。
使い古しの砥石は、中央で湾曲した状態で削れてしまっており、このままでは正確な刃先角を
つけるのも難しい。従って今回は紙ヤスリの一種、耐水ペーパーを厚手のアクリル板に張って、
水をかけながらガリガリと削り、砥石の面を出すところから始めた。



用意した在庫の耐水ペーパー。#120の荒い耐水ペーパーを使用した。
使い込んだ砥石はこんなカンジ。これではマトモな刃が砥げるわけがない。
散々削り倒してこんなカンジ。なんとか滑らかな表面になったかナ?


早速ノミを砥いでみる。刃表を砥石に密着させ、砥石全体を使って砥ぎ上げる。
中砥石(#1200)を使った中砥ぎが終了。刃面にメリハリがついたようだ。
仕上砥ぎに使う定盤。シナ合板を切り出して2枚重ね、座布団にしている。


クルマの塗装面を磨き上げるコンパウンドを使用。刃表を磨き上げた。
一方こちらは寸六の鉋の刃。刃こぼれも著しいが、刃先角が鋭角過ぎる。
左に見えるのは刃砥ぎの補助具。刃表の角度をこれで正確にセットできる。


定盤に金剛砂を振りまく。これは目の細かい鉄粉で、砕けながら研磨剤となる。
ガリガリと音を立てながら、刃先角28度ぐらいで刃先を削る。金剛砂が砕けて粉になる。
刃裏も、『裏押し』と言って水平に、まっ平らに研磨しておく。


中砥石で砥ぎ上げ、取りあえずの終了にしておく。刃先が剃刀みたいに尖っている。
仕上がった鉋刃を台に仕込む。刃の出し加減を調整し、実際に削ってみてさらに調整する。
刃の出し具合を見る。目で見て水平に出ているか、高さは適切か、細かにチェック。


実際に削ってみる。ちょっと削りカスが厚すぎるかナ〜?もうちっと引っ込めよう。
お?紙一枚ぐらいの薄さになったかな?取りあえずこれで良しとする。
さて、木材を刻み始めよう。先ずは正確な墨付けが肝心。スコヤを使って墨を引く。