"つくりもの"製作環境向上委員会 第2回






さて、今回からは、スペシャルワークブース構想、製作編をお届けしたい。
"スペシャルワークブース" とは前述の通り、作業机でありながら、様々な収納スペースも備え、
さらに作ったモノの展示スペースも備えている、超便利家具のことで、無論、お店では売ってない。
自分で、自分の都合のいいように、自由に作れるのが自作のいいところである。

外出から帰宅し、入り口から自分の部屋をふと見たとき、"ここにこういう家具があったら良いのに"とか、
"この辺のヤツを上手いことキレイに収納したい"とか、誰しも一度は思ったことはあるであろう。
ところが家具屋や、ホームセンターで売っている家具では、アレもコレも"思い通り" というわけにはいかない。
見た目や材料がよければけっこう値も張るし、サイズだって限られてくる。

家具の自作はそんなフラストレーションを解決し、見た目も機能も思いのままに作れ、
尚且つ作る工程も楽しめる。一石二鳥の楽しい作業である。
だからあっという間に終らせてしまっては面白くないので、これから比較的長期に渡って、
この作業を進め、時間をかけて材料を加工し、アイデアをいろいろと巡らせ、細かいところまで
気を配りながら、目いっぱい楽しもうと思っている。



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今回のつくりものはコレ。雑な画だが、あとは作りながら考える。




材料の調達

今回の材料になるのは2×4(ツー・バイ・フォー)材という木材。
2×4材はアメリカで発展した2×4工法で使われる材のことだ。
2×4工法とは、床、壁をひとつの枠として作り、これを集めてひとつの大きな箱を組み立てる
ようにして家を建てる工法の事である。日本では『枠組み壁工法』の名称で建築に広く取り入れられ、
現代の洋風建築は全てこの工法を利用していると言っても過言ではない。
ひょっとしたら、アナタのその家にもこの工法が取り入れられているかも知れない。
この工法は、工程の省力化、コストダウン、職人技量に依存しないなどのメリットを活かしつつ、
建築物に十分な強度を持たせることが可能であり、使用される木材も、実にシステマチックに製材されている。
その基準になる材のサイズは、厚さが2インチ、幅が4インチ。そこから2×4材と呼ばれるようになった。
2×4材の規格として、現在ホームセンターで購入可能なのは、厚さ、幅がそれぞれ 2×2、2×3、
2×4、2×6、2×8、2×10、他に厚さが半分の 1×1、1×2、1×3、1×4、1×6、1×8、
1×10など。長さもそれぞれ 3フィート、6フィート、8フィート、10フィート、12フィート くらいまでは揃う。
但し厳密に言うと2×4というのは"呼び寸"であり、実際のサイズはアメリカのインチサイズよりだいぶ小さく、
実寸は38ミリ×89ミリである。
使用される木材は必ずしもひとつではなく、北米原産のスプルース、パイン、ファーなど、それぞれ頭文字をとって
SPF材と呼ばれる、マツ科の木材や、レッドウッドというスギ科の木材、ウエスタンレッドシダーというヒノキ科の木材
なども使われている。これらは全て針葉樹であり、比較的柔らかくて加工しやすいという特徴も有している。

今回の作業は2×4材と1×4を用い、ワークブースの骨格となるヤグラを作るところから始める。
後々の展示台の積載も考慮し、足は2×4材で頑丈に作り、補強板に1×4を使う予定だ。
予算を立ててホームセンターに向かう。一関にある『コメリ』は、一関で仕事をしていた頃、毎日のように
訪れていたホームセンターで、木材の在庫に関しては、この辺ではピカイチである。
まあ、花巻のでっかいコメリ、『パワー』や、盛岡の『ホーマック・スーパーデポ』、『サンデー』などに比べれば、
他の品揃えに関して、いまひとつな部分もあるが、自宅から一番近い、超大型店舗となれば
一関しかないので、久しぶりに4号線を南下し、コメリに行ってみた。
すると、ちょうどいい事に 2×4材のセール期間中であり、2×4の6フィートが198円。1×4で188円
という、破格の値段であった。材料加工の都合上、2×4の8フィートも欲しかったので、400円足らずに
値下げしてあるそれも5本買い、予算内で予定以上の2×材を手に入れることが出来た。
モチロン、購入時には木材の1本1本を厳密にチェックする。木というものは元来、加工されてからも
乾燥による収縮を続けるものであり、木目によって収縮率が違うので、時間が経つと反ったり、
ひん曲がったり、ネジレたりするものであるからして、購入時から出来るだけ、木目や節の状態を見極め、
歪みの無いものを購入する必要があるのだ。




道具の手入れ

さて、木材が揃ったら(取りあえず使う分しか買ってないが)、次は道具を用意する。
今回はドリル以外はあまり電気工具は使わず、日本の伝統工法であるホゾ組みや、各種組み合わせ技法
を使って木材をつなぎ合せ、ヤグラを組み立てる計画でいる。
2×4工法では接続金具やコースレッド(粗目ネジ)、エアーで打ち込む釘などを使って材料を組んでいくが、
作業机とはいえ家具である以上、少しは見た目にも気を使いたいものである。
塗装をするかどうかは未定だが、出来るだけ、ネジ、釘の類はオモテからは見えないようにしたいと考えている。

そこで用意したのが前回も使った鉋(カンナ)の他に、各種サイズのノミと鋸(のこぎり)。
但し、鉋の刃は使い古しのナマクラで、ノミの刃もだいぶ丸まって来てしまっているので、
先ずは刃物の研ぎから始める事にした。
前回使った鉋は替え刃式で、切れなくなったら新しい刃を買って付け替えればいいが、
ヒゲ剃りのそれと同様、刃というものはケッコウネダンの張るものである。
本来、刃物というものは自分で研いで使うのが当たり前で、日本で売られる職人用の大工道具は、
自分で刃を付けないと使えないようにすらなっている。つまり、道具を使うには、先ず刃の研ぎ方を
覚えなくてはならないのだ。ワタシも鉋やノミの刃研ぎは何度か経験しているが、刃表を砥石に押し付け、
均一に平べったく研ぐのは何度やってもムズカシイものである。
砥石の平面を常に出しておくのもけっこうタイヘンな作業だし、砥石の種類を変えて研ぎ上げるのも
かなりホネの折れる作業である。
親父が「鉋は電動が一番!」と言うのも、なんだか頷けるハナシだ。音はうるさいけど。

今回使用予定の大工道具一式。ノミは8分から5分、3分、1分。寸6の鉋も使う。
親父が20代の頃に買った寸6(65ミリ)の鉋。刃がボロボロで、あちこちサビだらけ。
先ずはノミを研ぐことにする。だが砥石は中研ぎ用(1000番)しかないぞ。


一番使いそうな、8分(はちぶと読む)24ミリ幅のノミを研ぐ。取りあえずこんなもん?
刃裏のカエリをとって取り敢えずの終了。ホントはこの後、仕上げ砥石をかけるんだけど。
買ってきた2×4材。長すぎて部屋の中には立てかけられないのダ。


留盤という、ケガキ道具。直角に墨入れする時に当てて使うモノ。
新規購入したマイ鋸。ノコも使い古しは切れ味が落ちる。研ぐのは難しいし。
両刃ノコには縦引き用と、横引き用がある。こっちは横引き用。木材を横に切る。


下側が縦引き&合板用。ベニヤの合板などにもオールマイティに使える。
長さを合わせながら、先ずは足になる材を切っていく。切り揃えてからホゾを加工。
切った足の部材を赤ペンでチェック。まだまだ、作業は始まったばかりだ。




と、今回の作業はここでタイムアップ。
クルマの整備にも時間を取られ、今回はなかなか作業が進まなかった。
が、焦らずじっくりとやることにしよう。丁寧にやればやるほど、
仕上がりもきっと満足いくものになるだろうから。 多分。







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